移転のお話し
今から約14年前、松陰神社に小さなお店としてDESK LABOはスタートしました。
当時ののんびりとした松陰神社は今思い出しても素敵なところでした。
美味しいカレー屋さんや、窓から帰り道に手を振ってくれる女の子、隣の八百屋との皮肉たっぷりな会話や、仕事っぷりが見事な大阪寿司のおじさん。
当時はあまりに毎日が大変で楽しむ余裕もあまりなかったけれど、今思えばなんて充実した場所だったのだろうか。
今でも当時の常連さんに会うとなんだか古い友人に会ったような気分なります。
そして三軒茶屋での日々はより忙しく、少し大きくなりましたが町の小さなお店として続いていきます。
相当厳しい時期があったのもこの頃。
マイルスのトランペットのような、かなりハードな風がビューっと吹き抜けていきました。
そんな当時の僕を救ったのがイギ―・ポップの生きざまであったことは意外というしかないでしょう。
(正確にはジム・ジャームッシュの映画GIMME A DANGERですが)
そして今回下北沢のreloadに移転となります。
最近はコロナの影響もあり、狭い中、換気も難しい三軒茶屋の店舗は厳しいなと感じていました。
そこへ下北沢への出店のお話。
コロナ禍での商業施設への出店には正直、戸惑いました。
失敗という文字も当然浮かびます。
しかし状況が不利になればなるほど変なスイッチが入ってしまうくせもあり、
運営会社のGREENINGさんとの不思議な縁もあり、問題山積ながらも出店へと相成りました。
今回は立派な商業施設への出店です。
あの松陰神社の店舗を考えるとびっくりです。
晴天の霹靂です。
あいつら魂売ったなとか言われそうです。
ちゃんとしなきゃなとも思います。
しかし同時に僕はいつまでも小さなお店のままでいようと思います。
いれるならいれるだけそうしようと思います。
何故なら、小さなお店がきちんとやっていける世界は健全に思えるし、そうでない世界はとてもしんどい世界に思えるのです。
あなたが街を歩くとき、そこに個性豊かなお店が沢山あれば豊かな気持ちになりませんか?
それは多様性の形であり、将来に希望の持てない時の可能性の提示のように思えるのです。
みんながみんな大きくならなくなったいいじゃないか、と思うのです。
成功とは大きくなることではないのです。
というわけで下北沢で少し立派になった小さなお店としてDESK LABOは再スタートします。何をほざいても皆様に来ていただかなくては僕のポリシーもただの一人よがり、絵にかい餅です。
ご来店、心よりお待ちしております。
DESK LABO 店主
Rock & Roll Hall of Fameの時のスピーチ。
英語が堪能な方どうぞ。
ただただカッコイイ。
アルバムは2枚目が良いね。ちょっとフリージャズも入ってるし。
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