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「THE FUTUER IS UNWRIITTEN」

ジョー・ストラマーの生涯を描いた映画のサントラのタイトル〈The Future Is Unwritten〉「未来は書かれていない」これはジョーの好きな言葉だそうです。東京都にお住いの方ならご存じのニュースかと思いますが、神宮外苑の再開発が始まりました。“神宮外苑再開発”で調べてもらえればすぐに分かりますが、東京の明治神宮外苑に立つ歴史的建造物、秩父宮ラグビー場や神宮球場を取り壊し、位置を入れ替えて新築する計画のこと。外苑の杜に息づく約1千本の樹木が切られ、市民が無料で憩えるオープンスペースも減らされる。その代わりに建つのが、80~190メートルの高層ビルなのだ。(YAHOOニュースより転載)つまり古いものはうちゃっちゃって新しいビル建ててもうけちゃおうぜという話。「目の前の経済的利益のために、先人が100年をかけて守り育ててきた貴重な神宮の樹々を犠牲にすべきではない」と東京都知事に手紙を書いた故坂本龍一氏。これを一蹴した小池都知事。事業主は、明治神宮・三井不動産・伊藤忠商事・日本スポーツ振興センターの4社。目の前に大きな壁があり、その上には僕たちを見下ろす人達がいて、「君も仲間になれるよ、その口を閉じればね。」と君の拳に札を握らせる。断れば「バカだから」と笑いものにされる。でも君は断る、それが正しくないのを知っているから。世界は君の代で終わらない、美しいもを残すのは僕らの大事な仕事なのだ。「未来は書かれていない」だから簡単にあきらめてはいけないのだと思う。

音楽について語る時我々が語ること

最近すっかりここでのブログがご無沙汰になってしまいました。このブログを楽しみにしていてくれる数少ない奇特な方々のために、楽天のメルマガで連載しているコラムを厳選し、アーカイブ掲載することにしました。一番古いもので昨年の7月。時々追記があります。暇つぶしにどうぞ。Vol.1ビリー・ホリディビリー・ホリディは特別だ。彼女の歌は他の誰とも違う。彼女より歌の上手い歌手は結構いる。晩年の彼女は声だって(薬のせいで)ボロボロ。でも彼女が特別なのはいつだって僕のためだけに歌ってくているように聴こえるからだ。とても親密な感じがするのだ。特に孤独なときには、闇が深い時には。今日はビリー・ホリディをかけましょう。ゆっくりと丁寧に時間を過ごしてみましょう。追記:悪くはないけど硬いですね。まだ初回なので大目に見てください。Vol.2新書という謎新書の存在について考えてみる。あの縦長の結構なタイトルがついてる事が多い本。あの絶妙なサイズはどこから来ているのか。アイディアはひょんなことから生まれることが多い。あの本のサイズになにか新しいヒントみたいなものは無いだろうか。思いはせてみる。不毛である。そこには何も無い。この無駄な時間が僕は好きです。Vol.3イギー・ポップを知っていますか?ロックンロールの極北、パンクのゴッドファーザーとか呼ばれるその筋では有名なミュージシャンです。“音楽とは人生であり、人生はビジネスではない”数年前にジム・シャームッシュが撮ったドキュメンタリー映画の中でのイギ―のセリフです。その頃、僕はちょっとした人生の曲がり角にいました。冷たい風がヒューヒュー吹いてました。たまたま近所で上映されいるのを知り、その映画を観に行きました。その生き方は僕を静かに勇気づけてくれました。おかげで僕はその曲がり角で間違わずに済みました。朝、開店前のお店で爆音で聴くのが最高です。人気の3枚目「ロー・パワー(淫力魔人 ...」(邦題)より2枚目の「ファン・ハウス」が好きです。しかし「淫力魔人」って。。ねぇ。。Vol.4書く方がよっぽど楽なのだ最近書く機会、減ってますよね。それに反比例して押す機会は増えるばかり。今や一日一回も押さない日はないでしょう。そこでDESK LABOでは毎月7日を「押さない日」と指定し、まずは世田谷区、最終的には「国際押さないデー」ができるまで「押さない日」広めようと決心しました。しかしそうなると携帯、PCはもちろん、エアコンもTVもリモコンがダメ、そうなると密林でEchoがバカ売れとかなりそうですね。嫌ですね。紙とペンがが売れるわけではなさそうですね。追記:これはよくできたコラムではないでしょうか。結構短時間で書き上げているのでうまくいっているとリズムが出ますね。Vol.5ブラックホールブラックホールが何か知っていますか?ブラックホールとは中心へ向かう重力の物凄く強い恒星(太陽のように光を放つ星)だそうです。つまりその物凄い重力のため、ぎゅっと小さくなってしまった星ということですね。そして周辺の光もその重力で中心に吸い込まれるためブラックなのだそうです。もし地球にその重力があれば1円玉くらいの大きさになってしまうほどだそうです!ちょっと想像できませんよね。何かこんな話を読むと自分自身のちっぽけさに愕然とします。隣の人のコロッケが僕のより少しくらい大きくてもいいじゃないか?と思います。ブラックとつく曲は結構ありますね。「ブラック・サテン」「ブラック・ナプキン」「アストロ・ブラック」これが誰の曲か分かる方は僕のソウルメイトかもしれません。追記:わかる方は残念ながら現れませんでした。。ではまた次回!

下北沢にやってきた(ヤーヤーヤー)そして14周年、あるいは選挙について。

タイトルは今まさにやってきた風ですが既に下北沢に移転し、3か月以上たってしまいました。時のたつのは早く、もうカレンダーを売っており、その間もあれやこれやあったのですが既に遠い過去のようにも思え、皆様にお伝えするほどのものか自信がないので、簡潔に最近の状況をお知らせできればと思います。このreloadは本当に気持ちの良い施設で働く環境としては最高です。朝出勤するとここは本当に日本なのか?と思う時もあります(盛ってます)。商売としては厳しいところもあるのですが、年内にはほとんどのテナントが埋まるそうなのでそうなった時が施設としての、本当のスタートと言えるのではないのかなと、期待しています。もちろん他力本願ではなく、DESK LABOも集客できる魅力あるお店であらねばと思っています。そんなDESK LABOも14周年を迎えます。子供だったら中学生ですよ。全く。毎年ですが特別なことはなにもせず、淡々と迎える予定です。お店は感謝を込めて10%OFFです。お待ちしております。さて、間もなく選挙です。難しいことは言いません。投票しましょう。もしかしたら世の中が良くならないのはあなたが投票しないからかもしれません。この一票では何も変わらないなんてナイーブな事言っていては困ります。あなたがそこにいることを伝えるためにも投票しましょう。投票しましょう。

移転のお話し

今から約14年前、松陰神社に小さなお店としてDESK LABOはスタートしました。当時ののんびりとした松陰神社は今思い出しても素敵なところでした。美味しいカレー屋さんや、窓から帰り道に手を振ってくれる女の子、隣の八百屋との皮肉たっぷりな会話や、仕事っぷりが見事な大阪寿司のおじさん。当時はあまりに毎日が大変で楽しむ余裕もあまりなかったけれど、今思えばなんて充実した場所だったのだろうか。今でも当時の常連さんに会うとなんだか古い友人に会ったような気分なります。そして三軒茶屋での日々はより忙しく、少し大きくなりましたが町の小さなお店として続いていきます。相当厳しい時期があったのもこの頃。マイルスのトランペットのような、かなりハードな風がビューっと吹き抜けていきました。そんな当時の僕を救ったのがイギ―・ポップの生きざまであったことは意外というしかないでしょう。(正確にはジム・ジャームッシュの映画GIMME A DANGERですが)そして今回下北沢のreloadに移転となります。最近はコロナの影響もあり、狭い中、換気も難しい三軒茶屋の店舗は厳しいなと感じていました。そこへ下北沢への出店のお話。コロナ禍での商業施設への出店には正直、戸惑いました。失敗という文字も当然浮かびます。しかし状況が不利になればなるほど変なスイッチが入ってしまうくせもあり、運営会社のGREENINGさんとの不思議な縁もあり、問題山積ながらも出店へと相成りました。今回は立派な商業施設への出店です。あの松陰神社の店舗を考えるとびっくりです。晴天の霹靂です。あいつら魂売ったなとか言われそうです。ちゃんとしなきゃなとも思います。しかし同時に僕はいつまでも小さなお店のままでいようと思います。いれるならいれるだけそうしようと思います。何故なら、小さなお店がきちんとやっていける世界は健全に思えるし、そうでない世界はとてもしんどい世界に思えるのです。あなたが街を歩くとき、そこに個性豊かなお店が沢山あれば豊かな気持ちになりませんか?それは多様性の形であり、将来に希望の持てない時の可能性の提示のように思えるのです。みんながみんな大きくならなくなったいいじゃないか、と思うのです。成功とは大きくなることではないのです。というわけで下北沢で少し立派になった小さなお店としてDESK LABOは再スタートします。何をほざいても皆様に来ていただかなくては僕のポリシーもただの一人よがり、絵にかい餅です。ご来店、心よりお待ちしております。DESK LABO 店主

村上春樹とボブ・ディラン

村上春樹とボブ・ディラン。こう並ぶと何とも凄いですね。盆と正月、ケーキにプリン、イーストウッドとブロンソンといったところでしょうか。その2人の新作。軽い、軽いのです。なんともこう軽妙でもう「名人」としかいえません。その軽さに反して表現されているものはとてつもなく深く重い。巧妙な達人の技にうなるばかりです。村上春樹の『チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ』は、長く熱心に音楽を聴いてきたものに贈られたささやかなギフトです。あなたがそうなら楽しんで下さい。ボブ・ディランの「最も卑劣な殺人」の短い間奏は(5分10秒頃)、僕には福音に聞こえます。歌詞の内容とは裏腹に。年をとることはいいことばかりじゃもちろんないけど、若いころには理解できないことが分かるように、または受け入れられるようになるのです。それはわりと素敵なことですよ。残念ながら2人と同年代ではないので、(もうちょっと若い)同じ時代を生きた同年代の方が羨ましい。共感の数が、そうだよな~の数が違うのでしょう。まぁ僕らにはプリンスとジャームッシュがいるので良しとしましょう。コロナの7月はこの二人の新作の7月と記憶します。※7月に書いたブログです。アップするのを忘れていました。記録とて掲載しておきました。